トップページ > ごんあじの紹介 > 「ごんあじ」とは

「ごんあじ」とは

ごんあじとは

 マアジ、ムロアジ、マルアジ、シマアジ、オキアジ、メアジ、イトヒキアジ・・・。ひとくちにアジといっても色々ある。一般的にはスズキ目アジ亜目アジ科に属するものを指し、日本近海で見られるアジ科の魚は約70種にものぼる。いくつかの属に分けられるうち、アジといってよくお目にかかるものの大半は、マアジ属のマアジ。普通、アジというとマアジのことを指す。
 マアジの中でも生息域や回遊の海域、そのほか形態や体色の違いから、さらにキアジとクロアジとに分けられる。キアジは内湾や沿岸に定着する、いわゆる「瀬付き」のグループで、背中から尾にかけて黄金色を帯び、腹側にやや黒っぽいまだら模様がある。これをまき網で漁獲して海上生簀で活かし込みしたものがごんあじになる。クロアジは沖合を広範囲に回遊し、キアジよりも大きくてやや細長く、背中から尾にかけて黒っぽいのでそう呼ばれる。別の種類のようにも見えるが、分類学上は同一種である。
つまり、ごんあじは「五島灘で獲れたアジ科マアジ属のマアジのうち、重量が250g以上のキアジ」ということになる。

「ごんあじ」になるまで

 五島灘でまき網で獲ったアジは、傷つけないように生きたまま海水ごと漁船の甲板の下にある水槽に移されます。その後全速力で港に戻るのですが、水揚げをするために戻るのではありません。港近くの海上に設置した生簀(いけす)に向かい、そこにアジを放ち、約1週間から10日ほど一切エサを与えず活かし込みをします。この工程はアジの旨味を左右する重要な作業です。 網にかかった魚は、突然のことでパニックに陥り、逃げようと必死になって暴れます。この時、体に乳酸が溜まった状態になり、肉質が落ちてしまいます。しかし、活かし込みの期間を置くことで、体に溜まった乳酸が減り、健康な状態に戻り、肉質が落ちるのを防ぐことができます。  また、エサを与えられなくなったアジは、生き延びるため体に蓄えた脂を体全体に行き渡らせます。脂は魚の旨さを左右するものです。脂が一部に偏ることなく全身に行き渡ることで、牛肉で例えるなら霜降りの肉質になります。この工程を行うことで、旨味が増し、その証として体が黄金の色を光らせるのです。そうなるまで、作業員が生簀に潜り、アジの状態をチェックし、頃合いを見て水揚げします。(この流れは、上の映像でもご覧いただけます。)

「ごんあじ」の出荷

 水揚げされた「ごんあじ」の出荷先は、新三重漁協を取扱店として、関東、東海、関西、福岡、あとは県内の鮨屋や料亭が中心です。道幅が狭い長崎でも店先まで運べるようにと全国でも珍しい軽の活魚車2台がフル稼動する毎日です。 柏木水産ではこの他にも、自社の工場で「ごんあじ」の加工品を製造しており、県内の物産品売り場や、長崎市新三漁協協同組合のサイトからも購入することができます。


長崎市新三重漁協組合 Webサイト
 また、平成10年春にオープンした「新三重漁協活魚センター」では、直径5メートルの円形生簀の中で泳ぐ、ごんあじや近海で獲れた魚を間近に見たり、その場で活け締めにして購入することができます。